ワールドビジネスサテライト,6/11,スミスの本棚,森田りえ子

スミスの本棚

GUEST007 森田りえ子（54）　日本画家

四季を彩る花や植物を描く独特の筆遣い
繊細なタッチで自然の美を細かく描写し花の画家として名高い

森田
「ぐーっと入り込むと2〜3時間」
「気障な言い方をしますと無我の境地に入り込む時があるんですよ」
「自然が作り出す造形美は人の想像力を遥かに超えますから」
「もう教えられる事ばっかりですね」

花と並行して創作の軸としてきたのは女性
その華麗さと妖艶さは多くの人を魅了する

09年パリで個展を開催
日本を代表する画家として注目を浴びる

・次世代に残す

金閣寺方丈　杉戸絵を

描き

次世代に何かを残す大切さを知る

森田
「コレって凄いなぁって思ったんですね」
「金閣寺の横で私の杉戸絵がずっと残り続ける事のありがたさを実感した」
「あぁこういうのが本当に残る事なんだなぁって」

Ｑ．数千年も森田さんの絵があり続けると

森田
「それが画家冥利かなぁと」

そんな森田さんが進める一冊は

ほとけの履歴書

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価格：735円（税込、送料別）

著者は仏像の修復にも携わる彫刻家の
籔内佐斗司

セントくんの生みの親でもあります

奈良の仏像の歴史
時代背景そして造り方まで細かく書かれています

森田
「ガイドブック的な使われ方もしてると思うんですね」
「この本と共に奈良に行くと一味違った奈良が楽しめる」

・スタンダードの破壊者

森田さんが最も印象深かったのは
著者の籔内さんが彫刻家を目指す事となった

新薬師寺の地蔵菩薩立像（景清地蔵）
について書かれた箇所

籔内さんは景清の修復を依頼されました

像を解体すると予想外の事が
もう一体はだかの像（裸形像）が出てきたのです

はだかの像が最初に作られ
その上に板を貼り付けて衣を掘り出した２重構造の仏像だったのです

その複雑きわまりない寄木造の技術に心底驚嘆し、この像から教えていただいた技法をもとに
私は創作活動をつづけてこられたわけです。

森田
「若いときのそういう出会いっていうのは本当に」
「後世にすっごく繋がっていったんだろうなと」

この特異な技法を生み出したのは

運慶
鎌倉時代初期の仏師

代表作
東大寺南大門仁王像（金剛力士像）

それまでの標準的な技法も取り入れつつも
奔放な感性で斬新な仏像を創り出したのです

森田さんが選ぶ一文は

この仏師は転生の表現者であり、スタンダードの破壊者です。
その破壊者の名とは−運慶です。

森田
「スタンダードを知り尽くした上でのチョッとひねる」
「自分もそうありたいという願いが入ってる」
「私もココはドキドキした一文だった」

森田さんが挑戦した新作にその思いは表れています

KAWAIIシリーズ
日本画の技法を用いながらも若者の可愛い系ファッションを
絵のテーマとしたのです

Q.積み重ねてきたものを考えるとポッとそういうのを取り入れると難しいんじゃないかと

森田
「いやぁ面白いんじゃないかなぁと思ったんですよかえって」
「受け入れられるかは分からない問題ですからね」
「もう進むしかないんです」

では、”たすき”を渡す人を

森田
「生け花の池坊の次期家元の池坊由紀さん」
「神がかってるようなありがたいような存在なんですよね」

次回　GUEST008
　池坊由紀