ワールドビジネスサテライト,1/21,金曜フォーカス,2011年大倒産時代
倒産件数(10年) 1万3321件
前の年より減ったが倒産する企業は年が明けても相次いでいる
長引くデフレに円高
景気低迷が続くいま中小企業にとってさらに逆風になる要因が浮上していた
首都圏のとある街
先月30日に破たんした中小企業の経営者に話を聞く事ができた
百貨店や高級ブランド店の内装工事請け負っていた
不況で売り上げがピーク時の1/4になり
資金繰りが悪化したため事業を停止した
経営者
「残念・・・しょうがない」
「この暮れにはそうはなりたくなかった」
そして不況以外の理由で倒産すケースも
東京・台東区
婦人服などの製造・卸業者
→今月12日に事業停止
元取引先
「(この会社の)売り上げは伸びていた」
「切実ですね」
輸入する際の為替レートを今より円安の水準で契約した結果
必要以上の支払いをする事になり損失が膨らんだ
”円高倒産”
東京商工リサーチ 友田信男 副部長
「円高倒産が2010年は増えたのが大きな特徴」
全国の倒産原因などを調査している
東京商工リサーチ
”円高倒産”件数
前年比 3.4倍
しかし全国の企業倒産数は2年連続で減少
その背景にあるのは
「景気がなかなか回復していない中で企業倒産が減っている理由は」
「金融機関に対する返済を猶予できる”円滑化法”に大きな効果があった」
中小企業金融円滑化法
09年12月 中小企業の支援策として開始
当時の亀井大臣が打ち出した
通称
モラトリアム法法
中小企業の支払い返済などを猶予
→塔さんの可能性が高い会社も存続
実は今年3月で終了する予定だったが
→1年延長の方針
しかし
「3月末で”緊急保障制度”が終わると」
「資金繰りに苦しむ中小企業にとって影響はコレからドンドン大きくなる」
緊急保障制度
08年 10月 開始
10年 2月 対象業種などを大幅拡充
中小企業が無担保で8000万円まで借りる事ができる
その支援策が間もなく終了する
実際に支援を申請した企業を訪ねると
東京・大田区
ケィディティ
設立 1969年 従業員 13人
佐藤武志 社長
「プラスティックの加工をやっている」
「申請は2回して合計3000万円借りている」
「この場合3年間で一律の金利で返済プランも立てやすく助かる」
当初は
リーマンショック後 売り上げは半分以下に
しかし2009年の後半から好転し始めた
その理由は
「半導体の開発の部品を手掛けている」
「電気自動車やスマートフォンなどの分野で活躍してくると思う」
現在開発中で
次世代型の半導体を製造する機械の部品
メーカーから大田区の紹介を通じて話が舞い込んだという
この部品のおかげで
次世代型半導体の製造部品
全体の利益の半分以上
→今季は黒字に
「今の様に存続してなければこの新しい話には携われなかった」
終了する保証制度について大田区で聞いてみると
金属加工業
「どこの中小企業も資金繰りが厳しい状態だから」
「できればもうチョっとやってもらいたい」
スチール製品製造業
「(無担保で借りれるのは)大きい」
「昔は土地が高かったから土地を担保で借りられたモノが多かった」
「今は土地の担保というのはあまりない」
そんな中
大田区
ものづくり経営革新緊急支援事業
- 新たなビジネスに上限50万円を助成
- 申請受付 1月11日〜24日
機械の購入やカタログ作成など
→製品開発や販路拡大を支援
大田区産業経済部 産業振興課 石井芳明 課長
「今 必要なのは高い技術力を生かした新しい顧客の獲得や新しい市場開拓」
「独自の動きを中小企業の中でも考えてやっていく事が大事」
10年は99社に助成
→約6割の会社で売り上げ増
その助成金を受け取った会社では
東京・大田区
オージーエー高齢者のスクワット運動を補助する

ステッキレス(7種類) 価格 33〜118万円
を開発した
大田区の助成金
→大学に調査を依頼し運動効果を検証
科学的なデータがある事で
自治体や老人ホームからの注文が確実に増えているという
オージーエー 大賀隆之 社長
「(今までは)良い物を作れば(自然に)売れるという自信があった」
「この時代は良い物を作っても売れない適正に評価する方法を考えるべき」
もともと主力製品は自動車工場で使うロボット洗浄機
しかし景気の低迷に大手メーカーの海外移転が重なり
一時
売り上げは最盛期の1/10に
今後はロボット開発の技術を生かした健康器具で
売上アップを狙うという
Q.今回の50万円という助成金は?
「非常に効果的」
「助成金があったからやれたやってみたい事はいっぱいある」
モノづくりの現場を支えてきた中小企業
資金繰りのリスクを防ぐことはできるのか
*ふと思ったのはこういう制度を個人で申請しても借りれるのかね