ワールドビジネスサテライト,1/25,特集,デフレ時代の値上げ戦略
止まらない値下げ競争という消耗戦
しかしあえて逆の動きに打って出る企業が
デフレと戦う企業の挑戦を追った
顧客を逃がさず”値上げ”を成功させろ
きのう
午前8時
東京ディズニーランド
いつものように開門を待つ長い列が
そのお目当とは
新アトラクション
ミッキーのフィルハーマジック
をオープンした
ディズニーの世界を迫力ある3D映像で冒険するアトラクション
開園30分後には・・・
12分前後の待ち時間に
消費低迷でも支持を集めるディズニーブランド
しかし先月ある発表が世間を驚かせた
ディズニーランドとディズニーシーの入場料の値上げだ
大人(18歳以上) 5800円→6200円
小人(4~11歳) 3900円→4100円
と400円のアップ
その背景とは
オリエンタルランド 砂山起一 副社長
「エンターテインメント アトラクションライドの追加投資は避けられないビジネス」
「ソコに対して手当てをする」
パークを運営するオリエンタルランドは
2009年
- モンスターズインク ライド&ゴーシーク![ランド]
2011年
- シンデレラノフェアリーテイルホール(予定)[ランド]
新しいアトラクションを一昨年2つ開業
今年は一挙に3つオープンさせる
値上げ
パークの魅力を高める投資の元手を得るため
客の反応は聞いてみた
”値上げ#で行く頻度は?
結果は変わらないとの支持は8割を占めた
なぜ支持を落とさないのか
良く見ると過去の値上げ局面でも今回と同様に
値上げと同時期に新しいアトラクションをオープン
”少し高くても行きたくなる”という意欲をかき立てている
「客の価格感度に対する需要度・許容度を調べ」
「このくらいの(値上げ)レベルなら理解いただけると」
Q.日本全体の経済情勢も参考に?
「もちろん内部環境・外部環境の両方を参考にしている」
一方
値下げ競争が激しいい外食業界
その中で値上げに成功した店が
兵庫・加古川市
お箸の和座 和乃輪
店長の眞尾さんが作っている
唐揚げは値上げしても売れている品の1つ
和乃輪 眞尾佳弘 店長
「以前は輸入の鶏肉を使っていたが現在は国産のモノを使っている」
若鳥の唐揚げ
530円(輸入鶏肉)→580円(国産鶏肉)
→売り上げが30%増
さらに
「スモークサーモンと”チーズ豆腐”おコルネです」
「このままです何も変えない値段だけ変えました」
チーズの味わいがする珍しい豆腐の料理
高い人気を背景に
スモークサーモンとチーズ豆腐のコルネ
1180円→1480円(25%値上げ)
→値上げでに注文減らず
注文動向を詳しく分析した値上げで
和乃輪の月商
値上げ前 約300万円→値上げ後 約330万円
10%増加した
「コレがうちの”売り”というものは強気に値上げしてもいいと思う」
とはいえ値上げの判断は難しい
現在消費者の景況感は回復傾向にあるものの
実際の支出状態は足踏み状態だからだ
大手アパレルのフランドル
働く女性などのブランド”イネド”などを手掛けるが
去年価格戦略をめぐり苦い経験をした
フランドル 栗田貴史 社長
「去年は価格競争にだいぶ引っ張られた」
「ジャケットは2万9000~3万2000円だったのが」
「一部1万9000~2万3000円まで下げた」
低価格のファストファッション勢と戦うため
フランドル
昨春ジャケットやコートを大幅値下げ
→客数は増えたが全体の収益落とす
「体力勝負になっていた(値下げ競争から)いち早く見切りをつける」
消耗戦脱出へ春物商品の値上げを決断した栗田社長
いったいどんな方法をとるのか
「品質を去年より進化させる」
「縫製やディテールも細かく去年よりいい物を提案していこう」
価格水準を引き戻す代わりに
商品の品質を従来以上に高める作戦だ
値上げで難しいのはいくらまでなら買ってもらえるか
の見極めだ
「去年より上代(小売価格)を上げる中」
「ドコまでいけるか議論したい」
春物の
スプリングコート
自信の一品だ
去年は2万円台が中心だったがいくらにするのか
少し抑えめの価格を提示する販売との意見が分かれる
栗田社長の決断は
「3万4000円ソレでいいと思う」
フランドルの春商品
コート・ジャケット 約1万円値上げ
想定客単価 約2万1000円(前年比↑3000円)
ただ質を高めるため原価も上がり
利益率は去年より少し高い程度に抑えられた
栗田社長
全国の主要店舗をめぐり価格戦略を説明へ
だが
値上げに慎重なライバルは多い
強気の戦略に不安はないのだろうか
「なくはない」
「お客様に来ていただき満足して帰ってもらえると思う」
客離れという大きなリスクを伴う値上げ
しかし工夫次第でその壁を突破する事はできそうだ
*牛丼も値上げできる?