ワールドビジネスサテライト,6/1,スミスの本棚,小室等
GUEST034 小室等(67)
60〜70年代日本のフォークブームの立役者となった小室
それまでの音楽業界の常識にとらわれない自由な活動を求め
1975年
ファーライフレコード設立
Q.その当時は画期的なことでした
小室
「四面楚歌みたいな部分があった」
「右往左往しながらの出発でした」
今年で音楽業界50周年を迎える重鎮
「探している"言葉”がココにある」
小室さんの一冊は
「茨木のり子さんの詩集”歳月”」
茨木のり子(本名:三浦のり子)
戦後を代表する女性詩人
この詩集には先立たれた夫 三浦安信さんへの思いが綴られています
”言葉”を探す
当時
海外のフォークシンガーの様に反戦や人権などのテーマを歌にしてきた小室
ある日それに疑問を持った
「自分がやっている事が地に足が着いていない」
「上から目線で・・・自分自身が嫌悪した」
そんな時 茨木のり子と出会う
Q.どんな方でしたか
「優しく”こっちの道じゃないの?”といつも言ってくれる」
「探している"言葉”がココにあると思った」
反戦歌=ラブソング
メッセージ性の強い詩との出会いが
その後の小室さんの音楽活動を変えました
真実を見きわめるのに
二十五年という歳月は短かったでしょうか
九十歳のあなたを想定してみる
八十歳のわたしを想定してみる
どちらかがぼけて
どちらかが疲れはて
あるいは二人ともそうなって
わけもわからず憎しみあっている姿が
ちらっとよぎる
ふんわりとした爺と榲になって
もう行きましょう と
互いに首を絞めようとして
その力さえなく尻餅なんかついている姿
けれど
歳月だけではないでしょう
たった一日きりの
稲妻のような真実を
抱きしめて生き抜いている人もいますもの夫への愛情が茨木さん自身を支えている
この詩はラブレターだと小室さんは言います
「支えられる事で"生きる勇気を与えられる””人を肯定する事ができる”」
「"一番の反戦歌はラブソング」
人を愛し肯定する心があれば
戦争を起こすような憎しみの連鎖は無くなる
様々な人の詩に曲をつけて歌い続ける小室さん
それは経験を重ねたからこそ歌える歌かもしれません
では”たすき”を渡す人を
「サックスフォーン奏者の坂田明さん」
「親分肌で酒も強くって意気に感じる事はドコにでも駆けつけて行く」
GUEST035 6月15日
坂田明
次週はスミスの本棚annex
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