ワールドビジネスサテライト,7/26,特集,72年ぶり復活 始動するコメ先物取引の行方
東京・青戸
宮田屋(米店)
震災で米の生産量が減ることへの不安感から
米の仕入れ値が上昇しているといいます
店主 宮田光博さん
「仕入れ価格は4割以上上がっている」
米の卸業者で取引される去年産の米の価格が高騰している
自由米相場(2010年産米)
| 3月9日
| 7月13日
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コシヒカリ(新潟)
| 1万9100円
| 2万6800円
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あきたこまち(秋田)
| 1万2400円
| 1万8600円
|
「仕入れ価格は上がっているのに販売価格は上げられない」
「大手が上げてこないスーパーなど」
大手流通グループ
おろし業者と長期契約
→販売価格の変動少ない
そのため中小の米穀店では値上げができないのだ
こうした予想外の米価高騰に
どう対応すればいいのか
大阪市西区
関西商品取引所
先物取引の市場の運営をしている
1日6回
7品目の先物取引
取引が終了して
取引結果の相場表をみるとひたすら同じ数字が並ぶ
値動きが全くないのだ
日本の先物取引は危機的な状態だ
国の規制が強化された事などを背景に
取引量は7年前の2割の水準に
こうした中
来月8日から米取引が開始
2年間の試験上場だが再建の切り札として期待されている
実は世界の先物取引の発祥は江戸時代の大阪・堂島浜
シカゴ市場よりも100年も前の事だ
堂島米会所
1730年に開設された米先物市場
およそ200年続いた
当時の活気を取り戻せるのか
熱い視線を送るのは取引所だけではない
都内の投資顧問会社
現在商品先物はシカゴなど海外が大半だが
ニッポンの米先物が
国際的な指標に育ってほしいと大きな期待を寄せる
OIV投資顧問 嶋倉北斗 取締役
「大型商品の上場はビックチャンス」
一方
生産者はこの先物取引をどう受け止めているのか
秋田・北秋田市
アイガモを使い40haの一部で無農栽培を行っている
藤岡さんは米先物のリスクヘッジ機能に関心を示します
リスクヘッジ機能
事前に価格決定
→収穫後の価格下落リスク回避
藤岡農産 藤岡茂憲 社長
「稲刈り間際までいくらになるか分からない」
「不安な中で収穫の秋を迎えてる」
「3ヵ月半年先の読みができる」
藤岡さんは6人の従業員を雇用する
経営を安定させるためにもこの秋から先物取引に参加する考えだという
「価格が安定していかないと雇用は難しい」
生産者以上に先物取引に期待を寄せるのがコメ卸業者だ
山梨・中央市
山田屋本店
現在コメの取引では
価格決定の透明性が低いのが現状だ
山田屋本店 秋沢淳雄 社長
「指標となる価格というのはない」
「客との相対で決まって来る」
米は現在
生産者と卸業者の相対で取引されていて
市場が存在していない
先物市場が指標になる事で
米の価格形成が確立するという
「適切な利益を頂く上でコメ価格が開示された方がいい」
関心が高まるコメ先物取引
しかしJAは反発する
JA全中 冨士重夫 専務理事
「2年間試験上場した上で本上場するか判断するという事なので」
「それまでにさまざま取り組みを行い本上場阻止したい」
JAグループ
コメ流通の約6割
「単なるマネーゲームで価格が乱高下し」
「先物の価格形成の値動きが現物市場に悪い影響を与える」
コメの上場はマネーゲームで終わるのか
ソレともふっくらとした実を付けるのか
市場への参加者を幅広く確保できるかにかかっている
*そういえばこんな映画がありましたね