ワールドビジネスサテライト,10/24,広がるタイ洪水 身近な影響とは
タイの洪水被害はさらに拡大し
首都バンコク中心部へ迫っています
バンコク北部6地区では明日午前までに
高さ1mまで浸水の恐れ
→住民9万5000人に避難勧告
タイ政府はバンコクに迫る水を西と東に流して
中心部の浸水を防ごうとしています
そこで日系企業の工場も集積する東部の
ラッカバン区を訪ねました
ラッカバンクの工業地帯
川沿いでは水の浸入を防ぐための壁の建設が急ピッチで進んでいました
日系企業の工場でも対策が進んでいました
ピックアップトラックのエンジンを製造する工場では
既に10日程前から操業が停止しています
秦国いすゞエンジン製造 品質管理部 浜口信介 部長
「バンコクの東に流すというので水が来ると予想している」
「その時に工場が動いていると被害が大きくなるので」
この工場自体にまだ被害はありませんが
土嚢で出入り口がふさがれて通常の作業ができない他
部品の供給が止まっていて
操業再開のめどは立っていません
「何とか早く(操業を)やりたたい」
「それに向かって努力している」
「工場を止めながらも他のところをどうしようか考えている」
タイで主力車種マーチを生産する日産も長期化を懸念します
日産自動車 カルロスゴーン社長
「数日以上続くと販売に影響が出る」
また
トヨタ
愛知県内の4工場で増産とりやめ
タイの洪水の影響は国内工場にまで及んできました
さらに身近なモノにまで影響が
寿司やコンビニの弁当などに使われるエビ
多くがタイで養殖されています
その価格に異変が
東京・港区
ノースイ東京本社
エビやエビ加工品を輸入
回転寿司チェーンやコンビニ向けに卸す
今回社のエビ輸入量は年間およそ2万トン
その1/3がタイ産だといいます
Q.洪水の影響は?
ノースイ 海老事業部長 鍵山裕久さん
「(来年)1月23日が旧正月」
「東南アジアでは大きな需要期」
「ソコに向けて原料(エビ)が足りなくなる」
現地の養殖場などに直接の被害がないものの
需給がひっ迫するとの懸念も出ています
価格は上昇
養殖エビの価格(業者間1キロあたり)
9月末7.9ドル→現状8.3ドル
また
エビ加工品(エビフライなど)
パン粉などの工場が一部で停止
→納品が遅れる可能性
「洪水がさらに広がった場合は年末に向け」
「日本への供給が不安定になり国内で集める動きが出て」
「値段が上がる」
いまだ収束が見えないタイの大洪水
さらに影響は広がりそうです
*洪水は雨や地盤沈下だけではない
*運河の水門やダムの放水が関係している