ワールドビジネスサテライト,10/26,スミスの本棚,瀬々敬久
GUEST044 映画監督 瀬々敬久(51)
来月公開の映画
アントキノイノチの監督だ
遺品整理業の若い男女の視点を通して
現代の無縁社会を鋭く描く
瀬々
「無縁社会 孤独死」
「人間関係が薄くなっている」
「遺品整理業という職業を通して若い男女の視点で」
「この問題を扱っている」
3月映画の撮影中に起こった大震災
被災地には瓦礫の中から
家族や遺品を探す人々の姿がありました
Q.被災地の人たちは特段の思いで受け止めるのでは
「亡くなった人に対する”ごめん”という思いが」
「人間にとって一番つらい」
「生き残ってしまった人の人生をいつも描いていきたい」
コレからも生と死をテーマに映画を撮り続けていきたい
そんな瀬々監督が薦める一冊は
宮澤賢治の春と修羅
賢治が心象スケッチと呼ぶ
70篇の詩が集められています
「青森挽歌」
こんあやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族館の窓になる
りんごのなかをはしつてゐる
けれどもここはいつたいどこの停車場だ最愛の妹トシを亡くした賢治は
青森を通り樺太まで旅行し
深い悲しみの中からの再生を目指します
「地上の悩みと大きな世界観から見た言葉が」
「天と地を行き交うように詩編が行ったり来たりする素晴らしさ」
岩手で生まれた賢治
喪失感から立ち直ろうとするその姿は震災で多くを失った人々にも
力を与えるはずだと瀬々監督は語ります
「生き残った人の悲しみや」
「どう生きていくかを描こうと思った映画」
「賢治が”春と修羅”で描こうとしたことと通じる」
”たすき”を渡す人を
「ミュージシャンとしてはツジジンセイ」
「作家としてはツジヒトナリ」
「という言われ方をしていますけど辻さんです」
「熱い男なんですけどウザいぐらいにw」
「でもすごくチャーミングな人です」
瀬々敬久→作家 辻仁成