ワールドビジネスサテライト,2/15,スミスの本棚,島田雅彦
GUEST050 作家 島田雅彦(50歳)
1983年東京外国語大学在学中に
で作家デビュー
今話題の芥川賞で選考員も務める
人気作家だ
5月に発売する新作を書き上げたばかりという
島田さんがお薦めする一冊は
島田
「恋愛を言葉でどれだけ描けるか」
「技術の証明になっているが同業者として惹かれる」
51年9ヵ月と4日
初恋の女性フェルミーナを待ち続けた男の一途な恋を描いた長編小説です
男は彼女の夫の通夜の席で
愛を告白します
「フェルミーナ」と彼は言った。
「わたしはこの時が来るのを待っていた。
もう一度永遠の貞節を変わることのない
愛を誓いたいと思っている」「言葉は1つのテクノロジー」
「その技術は恋愛を書くときに進化した」
「文学にとって恋愛を描くことは王道」
著者は100年の孤独などでノーベル賞に輝いたコロンビアの作家
ガブリエルガルシア=マルケス(1928~)
島田さんは冒頭の一文でこの本の魅力に取りつかれたと言います
ビター・アモンドを思わせる匂いがすると、
ああ、この恋も報われなかったのだなと
つい思ってしまうが、
こればかりはどうしようもなかった。「最初の一行で虜にしてやろうという気持ちで書いている」
舞台は19世紀後半から20世紀にかけて
内戦が続きコレラが広がるコロンビア
50年以上1人の女性を思う男は
一方で622人もの女性たちと密かに関係を持っていました
「ドンファン的なモノと一途に女性を愛し続ける正反対の生き方」
「1人のキャラクターの中に同居させるという離れ業をやってのけた」
彼女は二杯目のお茶が入ったティーカップを
もったまま途中で手を止めると、
苛酷な歳月を生き抜いてきた女性ならではの
厳しくとがめるような目で睨みつけた。
「先月七十二歳になったんですの」と彼女は言った。
「ですから、そういうことはもう考えもしませんわ」ノーベル賞作家の大胆な恋愛小説は視野を広げる
一冊と島田さんは言います
Q.どんな方に読んでほしい
「ビジネス書ばかり読んで」
「”いかに成功するか貯蓄するか”というビジネスマンも読むべき」
「”仕事ではパッとしないけど恋愛に関しては自慢できる”みたいな」
「”1人の女をこんなに愛したそういう人生の栄光もある”ことを」
「この本は教えてくれる」
”たすき”を渡す人を−
「同業者なんですけど」
「作家の本谷有紀子さん」
「爽やかのふくらはぎの綺麗な美人作家で」
2月2日 GUEST051
作家
本谷有紀子