ワールドビジネスサテライト,3/28,特集,日の丸住宅 韓国市場に挑む
東京・杉並区
の住宅街
先週
韓国から視察にやってきたある一行がいました
一行が向かった先はデザイナーズマンション
NEWアパートメント
1Fにバイクガレージ
3階建ての構造
土地活用を検討している
企業関係者や資産家などは韓国との違いに驚きを隠せません
マンションを設計したのが
建築家 中永祐司さん
中永さんは設計した住宅が雑誌にも取り上げられなど
韓国でも注目の建築家
去年からソウルにオフィスを構え
日本のデザイナーズマンションのノウハウを
韓国でビジネスにしようと動き始めています
建築家 中永祐司さん
「東京とソウルは過密さなど状況が似ている」
「余裕がない場所で戸数をとりながら」
「快適さも両立させる上で役立つ」
背景にあるのは住宅事情の変化です
家族で同居するのが当然だった韓国ですが
都市型住宅とよばれる1人用の住宅が増えているのです
この日
中永さんは顧客と
ある1ルームマンショノ建築現場を訪れていました
都市型住宅の建設が相次ぎ競争が激しくなる中
中永さんの設計で魅力的な物件にするのが開発業者の狙いです
中永さんは日本流のデザイナーズマンションで
韓国をはじめアジア各国へ積極的に進出していく方針です
「中国をはじめ東南アジアへも進出していきたい」
先月
韓国で開かれた住宅関連の展示会
数ある展示の中で人だかりができていたのは
韓国に進出を目指す”すてきナイスグループ”
伝統的には木造住宅の韓国ですが
今ではコンクリートが多く珍しい存在です
すてきナイスグループ 日暮清 社長
「これまでは国内市場だけでやってこられた」
「今後は海外展開を視野に入れる」
この展示会に地方からも出展していました
九州を中心に戸建てを分譲する
谷川建設
去年から本格的に韓国市場に進出
今年初めて展示会に出展しました
社長自ら足を運び韓国市場に期待を寄せます
谷川建設 谷川喜一 社長
「人口分散でソウル近郊に新都市ができる」
「戸建て住宅が大きく伸びる」
ソウルから車で40分ほど
ここにある新都市
板橋新都市
に戸建て住宅が続々と建てられていました
土地を分譲したのが政府系の公団
戸建て用地はおよそ10倍の競争率だったといいます
LH公団 ホンソンムン課長
「板橋新都市の戸建て住宅は約2000戸です」
「1世帯の敷地は約80坪です」
谷川建設も板橋にモデルルームを構えます
週末には50組近くが訪れるなど反応は上々
谷川コリア
日本から木材輸入し建築
坪単価50〜60万円
通常より3〜4割高くなります
しかし戸建て住宅は富裕層向けのため
受け入れられる余地はあると見ています
コレまで6棟を受注
現在も2棟で建設が進んでいます
ただ
木造住宅
施工ノウハウがないため
日本から大工を派遣
日本のきめ細やかな建設を売りにするため
施工管理には神経を使っているといいます
谷川コリア 菊原信一 理事
「石 コンクリート文化を木に戻すのは並大抵ではない」
「顧客は健康志向が高いので好感をもたれている」
韓国の戸建て市場に注目をしているのは
住宅メーカーだけではありません
住宅の外壁に使われる日本製の建材
サイディングと呼ばれる外壁材
ソコにはある特徴が
ケイミュー海外市場開発部 佐藤一雄 課長
「意匠性と防汚性」
ケイミュー
クボタと旧松下電工の建材部門が統合
代理店や工務店を周る海外営業担当の佐藤さん
他の建材より割高ですが
韓国への輸出量
ここ5年で年率約30%の伸び
光触媒やセラミックといった
長年培った技術で耐久性があり
汚れにくい独自の機能を打ち出し
海外へ進出しています
ケイミュー 海外市場開発部 大平周一郎 部長
「優れた耐食性 防汚機能を持った商品は海外にはない」
北米やロシアにも輸出をしていて
東南アジアとオーストラリアにも輸出する計画です
機能が高ければ今の円高局面でも
十分競争力はあると自信を見せます
「品質と機能が重要」
「為替レートが大きな影響を与えているとは思わない」
日本独自の開発技術を海外へ輸出する
自動車や家電製品だけでなく
住宅産業も新たな輸出産業として
成長する可能性を秘めていそうです
*技術を奪われないようにね