ワールドビジネスサテライト,3/28,スミスの本棚,穂村弘
GUEST052 歌人 穂村弘(49)
穂村は古い枠にとらわない
新しいスタイルのニューウェーブ短歌を発表してきた
新品の目覚めたふたりで
手に入れる
ミー ターザン ユー ジェーン
穂村弘穂村
「短歌の中は異次元だから」
「一瞬なら願いがかなう」
そんな穂村さんが勧める一冊は
まんが綿の国星
主人公はいつか人間になれると信じて疑わないチビ猫です
外の世界や社会に初めて遭遇して成長するチビ猫の姿に
読者は自分自身を重ねます
穂村さんは自分と世界のズレに悩んでいた高校時代に
近所のダイエーで偶然手に取りました
「自分の状況が一気に覆って楽になる事が書いてある本が」
「膨大な書物の中にあって」
「ソレを見つけなくてはという感覚がとても強かった」
綿の国星は少女漫画LaLaに昭和53年から連載され
大人の男性が少女漫画を読む切欠になりました
「現実と思っているモノが本当に唯一の現実なのか」
「大島さんの作品はどれも軟らかいけれど」
「非常に鋭く追及していて」
強く印象に残った物語が3巻に収められています
隣に住む歳の離れた男性を好きになった
中学生の女の子
彼女は以前猫をかていた男性の気を惹こうと
驚くべき行動に出ます
あたしは気がくるっている
演じ続ければきっと猫になれる
要は意志力だと真面目に思っている
そしてクダラさんは私を見て
どうせ余所から猫をもらうなら
この猫を飼おうかという事になる
こんな奇想天外な顛末を
あたしは信じている
信じているんだ
猫になって好きになった男性と
一緒になろうと考えた少女
大島作品には
ある共通点があると穂村さんは言います
「奇跡の様にハッピーエンドになる」
「この世の論理でハッピーになるのではなく」
「それまで一度も考えた事が無かった扉」
「気付かなかった扉が開いてその人の狂った夢が報われる」
綿の国星は行き止まりの様に見える人生にも
別の扉がある事を教えてくれると言います
Q.扉が見つからない人にとってはっあ!って目を開かせてくれる?
「大島弓子は特別な作家と思っている人がいたし今もいる」
”たすき”を渡す人を
「ブックデザイナーの名久井直子さん」
「とても笑顔のカワイイ柔らかい女性ですけど」
「中身は仕事の鬼という感じの」
4月11日
GUEST053 名久井直子