ワールドビジネスサテライト,9/26,スミスの本棚,倉持裕
GUEST064 劇作家・演出家 倉持裕(39)
舞台”鎌塚氏、すくい上げる”など
独自のシニカルな視点と絶妙な台詞の応酬で知られる
倉持の劇
自ら劇団も主宰する
注目の舞台演出家だ
倉持さんお薦めの一冊は
80年代のアメリカの文学を代表する作品の1つです
舞台は戦後間もないニューヨーク
ブルーという名の探偵が主人公ですが
事件らしい事件が起きないまま
物語は時に静かに時に劇的に展開します
倉持
「気配だけで進んでいく小説」
当時劇作家として悩んでいた倉持さん
この本が転機になったといいます
「作家は始まり方と終わり方に一番悩む」
「スゴイ処理の仕方をしてるなと思って」
物語はいきなり始まります
まずはじめにブルーがいる。
次にホワイトがいて、
それからブラックがいて、
そもそものはじまりの前には
ブラウンがいる。やがてホワイトという名の男が
ドアを開けて入ってくる。
物語はそのようにしてはじまる。「全部そぎ落としちゃった」
「この程度の説明で物語に入れる」
わずか120ページの小説
その中で探偵のブルーは理由も分からぬまま
ブラックという人物を監視し続けます
物語のクライマックス
ブルーはブラックと対決します
いつまで経っても終わりゃしない、と
ブルーは思う。
いまここでブラックとけりをつけなければ、
永久にこのままなのだ。
Q.なんでブルーはけりをつけなければならないのかと
「全くその答えが分からない」
「ただブルーは分かっている」
「僕はソレでいいと勇気付けられた」
「面白いモノはできる分かりにくくても」
長い時間たった一人でいるブルー
想像力が豊に膨らみ自分に向き合います
「コレ読んで独りっていいなと思う」
「独りの時間が寂しいモノでなくて豊か」
「独りの時間を愛せる小説」
「通勤で読む本ではない」
「寝る前にゆっくり読んむといいんじゃないかと思いますね」
”たすき”を渡す人は
「女優の満島ひかりさんです」
「なんでも本気でぶつかってくる女優ですね」
10月10日 GUEST065
女優 満島ひかり