ワールドビジネスサテライト,3/11,技ありニッポンの底力,岡本硝子
歯医者で使われている反射鏡
デンタルミラー
実は特殊な機能を持っていて
ある中小企業が国内の9割のシェアを誇る
ソコに隠された新技術とは
デンタルミラーを作っているのは
千葉・柏市
岡本硝子
飛行機用のランプカバーなど
工業用特殊ガラスが専門
岡本硝子 岡本毅 社長
「(デンタルミラーは)わが社の独自技術の結晶」
「国内ではシェア9割 全世界でも8割近い」
デンタルミラー作りは手作業で始まる
まず
1000度を超える炉から
ガラス溶液を取り出し金型で成型
その後
余分な部分をカット
しかしまだ完成ではない
「これからが勝負」
「まだデンタルミラーとして必要な機能が整っていない」
デンタルミラーは
ハロゲンランプの光を反射させている
この時
熱を反射させてしまうと口の中が熱くなってしまう
そこで
岡本硝子では口が熱くならないための工夫を施している
「この上に非常に薄い膜を付けて」
「光を反射させて熱を逃がすという特殊な作用を持たせる」
その加工をする巨大な機械
そこに成型されたガラスを1つ1つ並べ
加工に必要なチタンとケイ素という2つの特殊な金属を投入していく
チタンとケイ素を真空状態で蒸発
ガラスの表面に付着させる
3時間後
「これが膜付けが終ったもの」
「色が付いているように見えるが」
「実は10億分の1メートル単位の非常に薄い膜」
「これが何十層も付いている」
拡大してみるとガラスの上に膜が積み重なっている
実はチタンとケイ素という性質の違う膜を
交互に重ねると光は膜の境ごとに反射されていく
一方で
光と波長の違う熱はそのままガラスの外側に逃げていく
膜があるのとないのとで比べてみると
膜なし 60度
膜あり 14度
ココに技あり
特殊金属の膜を何層にも重ねて
光だけを反射させ熱は逃がす
実はこの膜の技術で
岡本硝子はデンタルミラー以外でも世界的なシェアを得ている
「プロジェクター用の反射鏡も作っていて」
「世界で48%のシェア」
優しい光を届ける世界的技術
日本の未来を明るく照らし出してくれるかもしれない
*他にも薄膜技術はイロイロあります