ワールドビジネスサテライト,3/25,技ありニッポンの底力,坂本乙造商店
漆塗りのヘッドフォン価格は15万円以上するが
品薄が続く
*ネットでは購入可能 価格も15万円以下です
工業製品を伝統工芸の漆塗りで彩る
その技を探った
福島県・会津若松市
坂本乙造商店
江戸時代に建てられた蔵の中
ヘッドフォンのほかにコレまで手がけてきた商品が並ぶ
コチラのデジタルカメラは金属のボディーに漆塗りを塗装
複雑な形に苦労したという
他にもノートパソコンの天板
車の内装などさまざまな工業製品に漆塗りを施している
坂本乙造商店 坂本朝夫 社長
「単品で時計や万年筆を漆で塗装する会社はあるが」
「工業製品らしい工業製品はわが社だけ」
ではどのように作っているのか
ヘッドフォンの塗装工程
塗装用のスプレーガンで漆を塗装
「工業製品はロットでうまくいかないといけないので」
「手でやった時みたいに100点があったり」
「80点があったりではなく」
「常に90点以上にするためにスプレー化した」
はけで塗る場合1回に50マイクロメートルほどの厚みになり
塗り重ねるとバラつきが生じやすい
スプレーで薄く何度も塗る事で厚みのばらつきを
マイクロメートル単位に抑えた
しかし
本当のこだわりはスプレーでは出ない工芸の味わいだ
従業員が行っていたのは青みがかった銀箔を手でちぎる作業
5~8mmかくに小さくしていく
手でちぎった銀箔を漆を塗った耳宛にまぶす
さらに筆で優しくなでつける
スプレーでけではのっぺりしていた漆に
手作りの表情が生まれた
この後さらに塗装を重ねていく
「塗膜の厚みが一緒で傷がなくて品質管理上は一緒だが」
「表情は1つ1つ違うそこが難しい」
「品質管理上は均一だというと誰でもできる工業製品になってしまう」
「それを工芸のレベルにするには1つ1つの顔を変えないといけない」
「銀箔にその役割を担ってもらう」
ココに技あり
銀箔の手作業で切り貼り
工業製品に漆の彩と味わい
「漆とか箔とか根本を成すモノは縦軸にしても」
「横軸に新しい技術を取り入れることで」
「現代で十分に評価される使えるものにしていける」