ワールドビジネスサテライト,4/3, スミスの本棚,三浦しをん
今日のゲストは小説家 三浦しをんさん
来週土曜日から全国で公開される映画
船を編む
出版社で新しい辞書作りに励む
主人公の恋愛や成長を描いた物語です
2012年 本屋大賞 第一位
70万部突破のベストセラー
このチョッと変わったタイトル
由来は
三浦
「辞書が言葉の海をいく舟というイメージがあったので」
「担当の編集者に言ったら」
「”辞書を編むっていうから(船を)編むでどうですか”と言われた」
辞書とは言葉という大海原を航海する船
小説家にとってなくてはならないモノです
そんな三浦さんが薦める一冊は
30歳を目前に死んでしまった主人公が
生まれ故郷を彷徨う水の家族
作者の丸山健二さんは
23歳で芥川賞を受賞
現在は長野県で庭造りのかたわら小説を書く
孤高の小説家です
Q.こんなスケール感のある小説は初めてかもしれないって
「はい」
「文章も美しく力強い」
「最初に語り手が死んでしまう」
「面白く引きがある」
水の家族は文体に大きな特徴があります
どうやら私は死んでしまったらしい
私は終わったのではなく、始まったのだ。一行の詩と
数行の文章とで構成されています
この独特のリズムが
読む者をひきつけます
「マクロからミクロへスムーズに視点の移動がある」
「雨の滴や鶴のふんとかいろんなモノになって」
「ばからしいと思っていた自分自身や生命に対して」
「そうじゃないってことを知っていく」
主人公の私は雨粒や鳥の糞などに化けた後
命や人間について考えます
死んだ後の精神の成長を描いたともいえる
不思議な小説です
人間という生き物は、
光と闇とのあいだをくるくると回る星の表面に、
何の意味もなく、乱雑に打ち捨てられ、(中略)
蛆のように涌いてしまった、
そんな忌まわしい鬱々たる存在ではない。「ここいら辺はぞくぞくしますよね」
「キターって感じですよね」
本との出会いは中学生のとき
この一冊が小説家への大きな一歩になりました
「思春期だったし毎日が退屈だった」
「この小説を読んでからは何でも意味と無意味で」
「分類できるモノではないとすごく腑に落ちた」
「モノの見方を示してくれた作品だと思う」
*ちなみに三浦しをんさんこの本も書いてます