ワールドビジネスサテライト,6/12,スミスの本棚,千宗屋
GUEST102 茶人 千宗屋
宗屋さんは
千利休から数えて15代目
表千家裏千家と並ぶ
武者小路千家の次期家元
茶人として積極的に活動し
海外にも日本のおもてなしを伝えるなど
活躍の場を広げています
茶の道に生きる
千宗億さんお薦めの一冊は
哲学者の鷲田清一さんが
待つ事の意味をひたすら問い続けます
Q.いつ頃どういう切欠で
千宗屋
「人間関係で行き違いがあって誤解を解くことを考えていたが」
「これは待ってみようと」
「そのときたまたま本棚を見ていて目に入った」
この本は待つ事を失いつつある私たちが
他にも大切なモノをなくしてはいないか問いかけます
待たなくてよい社会になった。
待つことができない社会になった。「いま何か見たらすぐツイッターとかをやる」
「何かを経験して感じても自分の中で一度蓄積して」
「そうする事で深みが生まれ単なる情報をこえ自分の知識になる」
「いまは自分のモノにする前に吐き出す」
「自分の中に残らない」
ビジネスでも生活でもすぐに結果を出そうと
結末を急ぐ私たち
把握できない未来を見る余裕を失ってしまったのではないか
宗屋さんは待つ事を意味したこの一文にハッとしたと言います
意のままにならないもの、
偶然に翻弄されるもの、
(中略)
それでも「期待」や
「願い」や「祈り」を込めなおし、
幾度となくくりかえされる
それを手放すことなくいること、
おそらくはそこに、
<待つ>ということがなりたつ。
「結果を待たずに何とかしてしまおうという事は」
「自分たちで全てを解決できると思い上がっているところがある」
「人間が行動して何かが物事を成し遂げる=待つこと」
見知らぬ事に心を開いて待つ事は
生きる事そのモノではないか
その考え方は心を砕いて客をもてなす
茶の道にも通じると言います
「客が来る事を待つ」
「お茶がたつ時間を待つ」
「そこで訪れる偶然を一緒に待つ」
「一座の連帯感や人間関係がより深まっていく」
”たすき”を渡す人は―
「美術史家の山下裕二さん」
「恩師でもあるし同士でもある」
GUEST103 美術史家 山下裕二