ワールドビジネスサテライト,7/9,特集,転機のシネコン 次の一手は
完成と共に現れたのはアニメーション会社
スタジオジブリのキャラクターが描かれた巨大な壁画です
スタジオジブリ 鈴木敏夫 プロデューサー
「いくらちゃんとした映画を作っても」
「一生懸命宣伝しても最後はやはり映画館」
「映画館に皆さんに来てもらわないと映画は完成しない」
イオンのショッピングモール内のシネコン
イオンシネマ浦和美園
のロビーに飾られた壁画
コレを1つの目玉にして集客する狙いです
実はこの日
ワーナーマイカルは7月1日よりイオンシネマとしてスタート
2月イオンがワーナーマイカルを完全子会社化
→今月イオンエンターテイメントを設立
イオンシネマ
全国74劇場 609スクリーン→国内で最多
イオンエンターテインメント 大島学 社長
「(スーパー等の来客者は)年間20億人」
「イオンカード会員は3000万人」
「集客で待つシネマではなく攻めていくシネマでいけば」
「まだまだ新しい客は来てくれる」
イオンが持つ豊富な会員数
集客力をシネコンビジネスにも生かすと言います
こうした再編や淘汰が進み
シネコンはいま転機を迎えています
シネコンが日本に生まれてからおよそ20年
2010年まで増加したもののその後は頭打ちに
ひとスクリーンあたりの興行収入は
10年前に比べて3割減少しています
そんな中
新たなサービスが始まっています
東京・新宿区
新宿バルト9
平日夜9時
ロビーは多くの人で賑わっていました
続々と集まる客
251席ある劇場がほぼ満席です
始まったのは
機動警察パトレイバー劇場版
押井守監督 1989年公開作品
大型スクリーンと最新の音響設備での上映が
観客をひきつけます
新作の公開が多い今の時期になぜ
なぜこの様な旧作を
客がチケットを取ったという
ドリパスというサイト
ネット上で見たい映画を募り
リクエストの多い映画のチケットを販売
一定の購入数を越えれば上映する仕組みです
ドリパスを運営するのは
ベンチャー企業ブルームです
ブルーム 五十嵐壮太郎 CEO
「シネコンは複数スクリーンがあるので」
「必ずしも最適なブッキングができない時も」
スクリーンが多いシネコンでは常に満席にするのは難しいのが現状
ソコで
ドリパス
集客し難い時間帯にシネコンでリクエスト作品を上映
劇場側は
新宿バルト9 石田芳雄マネージャー
「客が一定数集まって上映が実施されるので」
「客のニーズも吸い上げつつ興行的なリスクも抑えられる」
チケットの売り上げは権利許諾会社・劇場・ブルームの
3社で分配する仕組みです
3年前にサービスを始めてから
ドリパス
上映作品数 約200
提携劇場数 138
シネコンを中心にさらなる拡大を続けています
一方
都心部とは環境が違う地域でも新しい取り組みが生まれています
埼玉・鴻巣市
こうのすシネマ
5日にオープン 8スクリーン
運営は全国にシネコンを展開する
ティ・ジョイ
出店の理由を聞くと意外な答えが
ティ・ジョイ こうのすシネマ 齋藤徹マネージャー
「厳しい商圏なので自ら出店は考えていなかった」
鴻巣駅がある周辺には
熊谷駅と大宮駅にシネコンがあり既に飽和状態
では
なぜ運営する事に
「市が施設を用意し」
「運営をティ・ジョイが受託している」
実はこうのすシネマを所有するのは鴻巣市
運営をシネコン大手のティ・ジョイに委託したのです
全国でも珍しい
官民共同のシネコンです
シネコンの隣にあるのは市の窓口
担当者に経緯を聞くと
鴻巣市 市街地整備課 島田友光 課長
「震災当日の写真」
実は当時は
民間が所有・運営→震災を機に撤退
新たに手を上げるシネコンもなく
市が買い取り改修を決定
鴻巣市 市街地整備課 沼上勝 課長
「市民ホールとしても検討したが映画を望む声が大きかった」
多額の費用でしたがシネコンの復活を望んだ
市民の声に応えました
官民共同で再スタートを切る事になった
こうのすシネマ
地域密着にこだわり
様々な施策をしています
こうのすシネマ市民カード
鴻巣市に通勤通学をいている人は優待が受けられる
| 区分
| 通常料金
| 特別料金
|
毎日
| 大人
| 1800円
| 1300円
|
高校生・大学生
| 1500円
| 1300円
|
中学生・小人(3歳以上)
| 1000円
| 900円
|
シニア(60歳以上)
| 1000円
| 900円
|
障害者手帳をお持ちの方
| 1000円
| 900円
|
また
市民の投票で選んだ作品を上映
こうしたイベントで
市民参加型を打ち出します
官民が協力して
新しいシネコンのモデルを作ろうと意気込みます
鴻巣市 原口和久 市長
「文化・芸術は必要不可欠なモノ」
「市民の文化度を高めることで新たな町づくりが展開できる」
ティ・ジョイ 岡田裕介 社長
「シネコンをどううまく利用していくかという時代に入ってきた」
「市や町に映画館をつくる時代に”こうやったらどうか”という」
「良いモデルケースになると思う」
「そのためには是が非でもココをヒットさせなばならない」
客をどう呼び込むか
映画産業拡大の時代を作ったシネコンはいま
次の時代への新たな一手を求められています
*もう縮小と淘汰でどうなるんだろこの先?