こうした本も発売され注目される職業
ビッグデータをビジネスに繋げるデータサイエンティスト
データから宝を見つけるその独特の手法とは
ソフトバンクの繋がりやすさの裏方を担ったのは
東京・港区
アグープ
柴山和久 社長
「単なる分析ではなくて」
「ソフトバンクの携帯を持っている立場になって」
「ソコまで考えなければ実は分析はできない」
アグープ
毎日2500万件以上のビッグデータを収集
通信状況を分析
実は都心では基地局は近くにあるのに
繋がらないという問題が起こっています
「実はパケ詰まり」
「(電波は)届いているが使えないという問題がある」
パケ詰まり
一ヵ所に人が集中するとデータ通信の容量が不足し
電波は届いても通信できない
このパケ詰まりの対策には
その時その場所の実際の人数を把握する必要があります
しかし
コレまで街にいる人の数を示す
正確なデータはありませんでした
「国勢調査の情報によると昼間の人口データは」
「そこで働いている人の人数になってしまう」
「実際には歩いていたりとか買い物をしに来ていたりする」
「そういう情報は国勢調査には入っていない」
そこで
アグープ
自社アプリ利用者の位置情報を収集
人の動きをデータ化
人の動きが可視化され
朝から昼にかけてオフィス街に人が集まる様子が分かります
こうしたデータを基に街の実態を把握した
時間帯人口データを自分たちで作りだしたのです
「今はピンポイントで状況を見つけ出す」
「そして改善ができる」
繋がらない原因が電波の圏外なのか
人の多さなのかすぐに判断して対応できるようになり
接続率の向上を実現したのです
「(必要なデータが)なければ作る」
「データを作るところから始めるのが」
「データサイエンティストだと考えている」
データサイエンティスト
ビッグデータを分析しビジネスに活用できる
知見・情報を引き出す専門家
こうした人たちがいま注目を集めています
データサイエンティストはコチラの企業でも
重要な役割を担っています
東京・新宿区
エステー
主力商品である
エステーでは
ムシューダ指数というデータを独自に算出し
生産や販売に活用しています
経営トップはムシューダ指数の重要性を強調します
エステー 鈴木喬 会長
「生産計画から何から全部関わってくる」
「(ムシューダ指数は)私どもの生命線と言った方がいい」
経営トップが生命線と言い切る
重要データを作成しているのがエステーのデータサイエンティスト
エステー マーケティング部門 鶴田道明さん
「ムシューダ指数は複数の気象データ」
「(過去の)販売額を組み合わせたモノ」
過去の売り上げや天候データを分析した
ムシューダ指数の棒グラフ
週ごとに示されていて
去年の秋は10月第一週からが最も売れる時期だと予想していました
季節商品であるムシューダは
売れる時期が気候などの影響を大きく受けるため
営業担当者はムシューダ指数を
商談でも活用しています
エステー営業部門 寺岡昌美さん
「ムシューダ指数が高い時に」
「一番いい売り場が取れるようにだったり」
「(取引先に)チラシを差し替えてもらったりしている」
このムシューダ指数にはデータサイエンティストならではの
分析の妙が隠れていました
エステー マーケティング部門 鶴田道明さん
「前はちょっと長期間のデータをもとに分析していたが」
「直近では3年間のトレンドで見ている」
「データというのは多ければ多いほど」
「精度が高いと思われがちだが」
「適度な期間を抽出することが大事になる」
高齢者だけの世帯や共働き家庭の増加など
ココ数年の社会情勢をデータに反映するため
あえて
分析期間を短縮したのです
ムシューダ指数は今も進化しています
現在も気象情報の会社と分析方法の見直しを議論しています
常に現実が反映された
精度の高い分析を追求し続けます
「データサイエンティストとしては」
「一番精度が高くなるようなより良いデータを活用して」
「見直していく」
実は
日本のデータサイエンティスト
推計 1000人
一方でビッグデータの活用に向けて
大手企業は100人単位で
データサイエンティストを確保しようと動きだしています
各社のデータサイエンティスト
アクセンチュア 100人
NEC 100人
富士通 100人
日立 80人
いち早く動いたのが
情報サービス最大手の
NTTデータ
多数のデータサイエンティスト獲得のため
去年 専門企業を会社ごと取得
買収でデータサイエンティスト80人を獲得
→120人体制へ
ビッグデータ事業で
年間200億円の売り上げを目指す
熾烈な獲得競争が起こっているデータサイエンティスト
圧倒的な人材不足を改善するには
教育機関による協力が不可欠だとNTTデータの専門家話します
NTTデータ ビッグデータビジネス推進部 福田輝光 室長
「各社 争奪戦が激しい」
「大学も積極的に付加価値を創出するような」
「データサイエンティストを育ててほしいと期待している」
こうしたビジネス界のニーズに対して
大学側も動き始めています
東京・豊島区
立教大学
今年から
学部生向けにデータサイエンティスト養成講座を開設
ゴルフ用品ネット販売企業の
200万人分のビッグデータを分析
業績向上に向けた改善策をグループで研究
このグループは
20-30代の未婚女性の売り上げに課題があると分析
未婚女性は趣味・ファッションに金を使う
というデータを基に
この企業にゴルフ合コンを提案
未婚女性の購買意欲をかきたてる戦略です
こうした実践的な講義を通じて
ビジネス界が必要としているデータサイエンティストを育成しようとしているのです
立教大学 経営学部 佐々木宏 教授
「21世紀を担う人材はいま大学生である人達」
「その人達に新しい知識を入れてすぐに育てて」
「役に立つ人材を育成するのは大学の使命」
ついに大学も育成に乗り出したデータサイエンティスト
世の中にデータが増えれば増えるほどさらに求められる職業となりそうです
*分析ってどうやるんだろう?