ワールドビジネスサテライト,3/11,震災3年で変わる"備蓄"
政府主催の追悼式には被災地の遺族をはじめ
天皇皇后両陛下・安倍総理などおそよ1200人が参列しました
安倍総理
「将来のさまざまな災害から国民の生命」
「身体 財産を守りぬくため」
「災害に強い強靭な国づくりを進めることを」
「固くお誓いいたします」
東日本大震災
死者 1万5884人 行方不明 2633人
行方不明者の捜索なおも続く
また
26万7000人が避難生活を送っています
3年前の東日本大震災
首都圏をはじめ全国で食料品や日用品が品不足になりました
コレを教訓に
まさかの時に備える意識も大きく変わりました
松坂屋上野店
で開かれていたのは
保存食品大特価市
備蓄用に缶づめを
まとめ買いする人が多く訪れていました
震災から3年がたち
当時買った非常食の買い替えが進んでいます
今年に入って国産の缶づめや
高級な缶づめの売り上げが伸びていて
今月19日からは
売り場を2倍にして対応すると言います
松坂屋上野店 食品催事担当 浅川幸治さん
「(保存食の)買い替え需要と消費増税前の買い納め」
「備蓄への意識が高まり保存食が人気」
非常食を選ぶポイント (全国20~69歳男女 調査協力マクロミル)
賞味期限 56%
調理方法 19%
価格 10%
味 9%
量 5%
食品メーカーではより長くより簡単に食べられる
非常食の開発が進んでいます
大塚食品では1年から3倍にした
ボンカレー72H
賞味期限を3年
火や水を使わず食事可能
を今日から発売
変わる備蓄
この3年で停電で使えなくなった
通信機器や家電を動かす電池も変わり始めています
愛知・新城市
エイアールブイ
夏目伸一 社長
「これ食塩水なんですが」
「海水でもいいし味噌汁でも構いません」
「いい加減な塩水でいいんですよ」
水処理機器を開発するエーアールブイは
3年前の教訓を生かし
食塩水を使う発電装置を開発
マグネシウム電極電池
1セット(2W)1万7000円
今月末に販売を開始します
「マグネシウムの酸化作用を利用して」
「発電している」
食塩水でマグネシウムが酸化し
電子を発生することで発電する
LEDランプが160時間連続点灯
さらに
せる装置30個
ノートパソコンを24時間以上利用可能
「置いておいても食塩水を入れれば発電できる」
食塩水を抜いた状態で保管しておけば
10年以上放置しておいてもすぐに利用ができます
発電グッズを選ぶポイント (全国20~69歳男女 調査協力マクロミル)
発電時間 32.2%
使いやすさ 29.3%
価格 19.2%
発電量 10.4%
その他 8.9%
「保持管理がいらない」
「ソレが一番大きなメリットだと思う」
「倉庫に入れておいて」
「そのままで済む電池を目指さないといけない」
3年前の震災で品不足のため
長い行列ができたガソリン
災害時に最も手に入り難いモノ (全国20~69歳男女 調査協力マクロミル)
水 29.0
ガソリン 25.2%
食料 19.0%
医薬品 15.4%
情報 10.6%
その他 0.8%
ガソリンの備蓄に向けた研究が始まっています
石油基盤技術研究所 上田博文 副所長
「通常ガソリンは貯蔵用で生産していないので」
「貯蔵により劣化を起こさないか確認している」
研究を加速させるため温度を高く設定した保温庫に
ガソリンを保存し実験のスピードを4倍に速めています
保温庫の中には大量のサンプルが
「ガソリンの成分が各石油会社によって変わる」
また
同じ会社のガソリンでも季節で成分が違うため
それぞれ調べる必要があります
3ヵ月前それぞれまとまった研究結果
サンプルのうちある会社のガソリンが
保温を初めてから13週目で酸化し始める事が分かりました
常温で保存した場合の1年にあたります
「酸化が始まると製品として使用できない」
「場合によってはエンジンが止まる」
現在バターなどの商品に使う
酸化防止剤を使い劣化防止の実験を行っています
「酸化防止剤を0.002%添加すると」
「(ガソリンの)酸化を抑制できる」
「3年間は大丈夫という結果」
ガソリンなどを製造する製油所
極東石油工業
実は多くの燃料が備蓄されています
極東石油工業 有本健司さん
「原油のタンク」
「ガソリンのタンク」
「震災以前は原油で備蓄」
「震災後はそれに加えて製品でも備蓄を始めた」
コチラでは国の委託を受けて災害時に迅速に供給できる
4日分にあたるガソリンを備蓄しています
備蓄したガソリンを運ぶのはタンクローリーです
ところが
極東石油工業 一瀬光廣さん
「高速道路の不具合で届けられない事もあった」
そこで
小型の出荷設備を使って200Lのドラム缶を使って
軽油や灯油を入れトラックで被災地に送る方法を取りました
極東石油工業
震災時 灯油200本 軽油430本 計630本を出荷
首都直下地震ではガソリンスタンドそのもが被災し
タンクローリーが使えなくなる事を指摘されています
ドラム缶を使う事は
災害時の有力な輸送手段になるのです
実際震災後国の補助金で
他の石油出荷施設にも導入が進んでいます
ただ
ドラム缶でガソリンを運ぶには
安全面・運用面で課題も残る
資源エネルギー庁 浅野大介さん
「製油所でドラム缶に給油する体制は整えたが」
「誰が運びどう給油するか」
「いわゆるソフト面の課題が残っている」
大震災に備えて
どう蓄えていくのか官民挙げた取り組みが進みます
*個人でもやっておいた方がいいかも