ワールドビジネスサテライト,3/12,スミスの本棚,湊かなえ
GUEST114 作家 湊かなえ
我が子を教え子に殺された中学教師の復讐を描いた
告白
は文庫本だけで250万部を超える大ヒットに
一昨年発売した
白ゆき姫殺人事件
も今月末映画化されます
)
白ゆき姫殺人事件は化粧品会社のOLが殺害された事件を軸に
SNSを通じてうわさ話や妄想が一人歩きする
今の時代の恐ろしさを描いています
湊
「白ゆき姫を描き始めたころ」
「ツイッターが使われるようになり広がっていた」
「誰かの見た自分がネットを通じて知らない人にいってしまったら」
「もう自分で訂正しようと思ってもできない」
「取り返しのつかない事になるんじゃないか」
「取り返しのつかない事を起こしてみたいぞと思って」
悪意のないつぶやきは瞬く間に拡散
主人公は犯人に仕立て上げられ取り返しのつかない事態を招くのです
森本アナ
「こういう中で私たちが生きているのはちょっと怖い」
湊
「活字になると新聞の一コマ読んでいる様な気になって」
「活字は信じさせる気持ちが強い」
「そういうモノを扱っていると今一度考えてみてもいいのでは」
自分が知りたい事を小説にするという湊さん
小説の面白さに改めて気付かされた本があると言います
「この本の魅力は一回読んだら」
「も一回読みたくなります」
殺人交差点
時効寸前に明らかになる殺人事件の
真相を描いたフランスのミステリー小説
被害者の母ルユール夫人と
加害者のセリニャン弁護士
2人の視点で描かれています
ルユール夫人
私のボブに対する愛は、
大人の愛、血の通った愛、
心の奥底に根ざし、
反論の余地なき愛だったのです。
セリニャン弁護士
息子に対する彼女の態度は、
普通の母親とは違っていました。
年を取って、王の寵愛が
失せるのを恐れている
愛妾といったところでしょうか。森本アナ
「語り手が変わる事によって見える世界や景色が違ってくる」
「改めてこの本で私もビックリしたんですけど」
湊
「語り手が2人いる事によって」
「自分が見えているモノと」
「他者がその人を見ているモノと全然違う」
「この人がずっと内心こんな事を思っていたんだと」
「読み進めるに従って分かっていく」
「本を読んだ後に周りの自分の近い人も」
「いま自分が見ているこの人の姿は」
「本当に正しいのかと思いなおす」
森本アナ
「自分だけの視点じゃなくて」
「相手の見方も考えられるようになる」
「コミュニケーションのすごく重要な部分でもある」
湊
「電車に乗っているときにななめ前の席の人から」
「自分はどう見えているだろうと思っただけでも背筋が伸びる」
「一番大切なのは想像し合うこと」
「相手の立場に一度自分を置いてみること」
「一番よく見えてくるのが自分なのかなぁ」