ワールドビジネスサテライト,7/15,簡単ではない「物価上昇」
午後3時半
日銀黒田総裁の記者会見
今日記者の質問が集中したのは
モノの値段”物価”の見通しです
日銀 黒田 総裁
「来年度を中心とする期間に2%に達する」
黒田総裁は改めて
2015年度ごろには2%の物価上昇を達成すると強調しました
消費者物価指数
5月 1.4%(生鮮食品 消費税増税の影響を除く)
目標の2%に近づいているように見えます
ただ民間のエコノミストからはこの夏1%台を割り込むとの見方も
「(物価上昇率が)1%を割る可能性はない」
物価の上昇について黒田総裁はあくまで強気です
一方
人々が普段買い物をする都内のスーパーを訪ねてみると
客が集まっていたのは商品を半額で売る
特売コーナーです
消費者が注目するのは特売の価格です
しかし
消費者物価指数
特売品などは反映されない
総務省が集計する消費者物価指数は店頭の一部の商品を調査
ジャムはアオハタのイチゴジャム(165g)
ビスケットは森永マリー24枚入り
のように代表する1種類しか調べない品目もあります
また調査回数は多くても月3回
調査品目や回数が少ないため
生活者の実感からずれているとの指摘も
さらに
品目が固定されているので新商品の価格も反映されません
人々の実感により近い物価とはなにか
それを知る新たな試みが始まっています
消費者購買指数
一橋大学と調査会社インテージなどが共同開発
→小売店の商品価格や売れ行きを把握
一橋大学 阿部修人 教授
「ポスのデータでなければ作れない指標」
ポスデータ
全国のスーパーなどのレジから収集
およそ4000店で得られるこの情報を
調査会社のインテージはリアルタイムで集計しています
インテージ 関野義隆 部長
「どこでいくらで売られていたか集計した結果を作る場所」
約100万点の商品データを処理
新商品も集計
こうして集まったビッグデータを基に商品の価格
つまり物価の動きを見てみると
一橋大学 阿部修人 教授
「前年比の変化率でプラスマイナス0.1%をうろちょろしているので」
なんとスーパーなどで人々が買う価格
つまり物価は全体としてはほとんど変わっておらず
逆にわずかに下がっている週も
日銀が重視する消費者物価指数が
1.4%もの上昇を示しているのとは対照的です
消費者物価指数(総務省)
最近値上がりしている
ガソリン価格・電気代などを含み上昇しがち
しかし
今回の結果は日銀の言う物価上昇からかけ離れている印象も
Q.生活実感に近い品目の物価が上がっていない
バランスを欠く物価上昇の受け止めは
日銀 黒田 総裁
「興味深い研究だが内閣府が発表している消費者物価指数とは作り方が違う」
「バランスのとれた物価上昇が起きている」
「今後もさらに広がりをもって2%の物価安定目標に向けて収斂していくだろう」
「従来のようなデフレ下の安売りによって需要を開拓する企業は減っていくのでは」
*なんか黒田さんもアレだよね