ワールドビジネスサテライト,2/18,ニッポンの素材力,産業で輝く人工ダイヤ
兵庫・伊丹市
住友電気工業
日本で唯一人工ダイヤモンドを量産
角谷均さんダイヤモンド研究一筋32年
人は彼をミスターダイヤモンドと呼ぶ
住友電気工業 角谷均 博士
「これがダイヤモンドの原石」
Q.少し黄色いんですね
「黄色いのは不純物」
「その不純物を除去して透明な結晶もできる」
不純物を取り除いた純度の高いダイヤモンド
透明度や輝きは天然ダイヤモンドの最高級品と同じ品質をほこる
宝飾品としても通用するが
住友電工の目的は産業用
人工ダイヤモンドは日本のモノづくりを支える素材だ
「ダイヤモンドを加工している中間ライン」
Q,きらきら光っているのがダイヤモンド?
「原石を割って薄くしている」
人工ダイヤモンド
薄く加工して金属などを削る工具に使用
精密な金型づくりには欠かせないモノだ
人工ダイヤモンド
天然のモノよりも硬く金属を加工する工具として工業分野で使われる
住友電気工業
強度が倍以上となる製造方法を開発
太い鉛筆の芯のようなものを
「高い圧力と温度をかける事で」
「ダイヤモンドに直接変換できる」
原料は鉛筆の芯と同じ黒鉛
直接変換法
2200度の高温と地上の15万倍の圧力で
黒鉛を直接ダイヤモンドに変換
開発に10年かけた
なぜ高い強度が必要なのか
ダイヤモンド
硬度は高いが衝撃には弱い
ハンマーでたたくと
従来品 粉々に砕け散った
新開発 びくともしない
Q.工具には強度が必要?
「強度があると超硬合金やセラミックが加工できる」
金属加工には不可欠なダイヤモンド
素材としての可能性をさらに広げる最先端の研究が進められている
東京・新宿
早稲田大学
の
川原田教授が開発したのは
電力を制御するスイッチの役割を持つパワー半導体だ
わずか3ミリ四方の基盤上に
144個のパワー半導体が並ぶ
ダイヤモンド製のパワー半導体
耐電圧 1600ボルト
シリコン製の50倍以上
早稲田大学 基幹理工学部 川原田洋 教授
「高い電圧と電流が流れると熱が発生する」
「ダイヤモンドは熱を逃がす性能が高い」
実は
ダイヤモンド
熱を逃がす性能が高く半導体の素材には最適
これが実用化できれば電力を効率よく使え
省エネ性能を格段に高める事ができると期待されている
「ハイブリッドカー電気自動車など」
「約500ボルトの高電圧でモーターを回す」
「駆動系・動力系に使いたい」
注目が高まっている素材ダイヤモンド
ミスターダイヤモンド 角谷さんは技術を進化させる可能性を秘めた素材だという
Q.ダイヤモンドの魅力は
住友電気工業 角谷均 博士
「ダイヤモンドが持つ特性に魅了される」
「物質の中でもトップクラスの特性を生かすことで」
「いろいろな用途に使える究極の素材」
ダイヤモンドの優れた特性
人工的に作り出すことで素材としての輝きが増している
*4tの圧力と200度でコークスができるから・・・