ワールドビジネスサテライト,6/26,特集,治る最前線,第48回,体に負担の少ない尿路結石の最新治療
横浜市
大口東総合病院
40代の男性患者
半年程前に尿に血が混ざっているのに気がついた
患者の病は尿路結石
2cmは結石の中でも大きなものだ
結石は大きな痛みを伴う事が多いが
今回は体の異常に気づかなかったという
患者1
「背中がだるかったくらいで」
「自覚症状はない」
尿路結石
主にカルシウムなどが固まったモノ
腎臓などにできた結石が
尿管などに落ちて激しい痛みが起きるのが主な症状だ
しかし
大きな結石になるとその場に止まり
症状が現れないまま腎臓の機能が落ちてしまう
大口東総合病院 泌尿器化 松崎純一 医師
「大事なのは症状がなくても」
「尿路結石の場合 腎臓の働きが低下する事がある」
「腎不全で臓器の機能が低下すると心臓に影響が出てくる」
主な原因は肉中心の食生活や高カロリー
生活習慣病の1つとされている
尿路結石と診断される人の数
10年で1.6倍(1995~2005年)
10人に1人は一生に一度は経験すると言われている
放っておくと重大な病につながる尿路結石
これまでは大木に手術が必要だった結石に
体の負担の少ない治療法が生まれている
その最前線を追った
先ほどの患者は
体の外から衝撃を与えて結石を砕く治療を受ける事になった
治療に使うのは
体外衝撃波 結石破砕装置だ
患者の背中に機器がしっかり密着するようにセッティングする
背中に当てたのは衝撃波発生装置
衝撃波は水の中だけで伝わる
ESWLというこの治療
中心の筒から衝撃波が発生し水を伝わって反射材に伝わって石に届く
臓器など柔らかい組織は通過して
硬いモノにはぶつかる性質を利用している
レントゲン撮影し
結石に場所を確認する
医師が画像を確認しながら衝撃波を当てる場所を確認する
約40分で2000発の衝撃波を当てる
以前は結石以外の部分にも広く衝撃波が当たり
全身麻酔が必要なほどの痛みだったが
最新型の機器は
軽い鎮痛剤のみで治療できる
医師が結石が割れているか確認する
結石に真中に隙間が見える
割れているようだ
40分後
治療前と治療後のレントゲン写真で
結石が散らばっているのが分かる
砕かれた結石は3ヵ月ほどかけて
尿と一緒に出てくる
痛みが少ないので患者は日帰りで治療ができる
治療費
約6万円(保険適用)
「結石が良く割れるようになった」
「以前より大きい結石が1回の治療で大丈夫になった」
「体に負担なく早く復帰できるのが大事」
【体外衝撃波はそういう点で有効な治療」
体外衝撃波で砕けない結石に対しても
患者に負担の少ない治療が進んでいる
東京・練馬区
練馬総合病院
60代の女性患者
腰の痛みが気になり受信した
3cmほどの大きな結石だが受診するまで気がつかなかったという
患者2
「腰が痛くて整形外科に行った」
「(尿路結石は)すごい痛みと聞いていたが」
「痛みがなく甘くみていた」
検査の結果から結石が非常に硬く
衝撃波では砕きにくいと診断された
そのため患者は結石を直接砕く治療を受ける事になった
医師が治療に使う最新の機器を取り出した
軟性鏡という内視鏡だ
直径は2.8mm 270度自由動かすことができる
この内視鏡で
f−TULという治療を行う
尿道から内視鏡を入れ
腎臓の入り口にできた結石をレーザーで砕く
細く曲がる軟性鏡ができたことで尿道から遠い
腎臓の結石も内視鏡で治療できるようになった
軟性鏡を尿道からゆっくりと入れていく
これが腎臓にできた3cmの結石だ
レーザーで結石を砕いていく
軟性鏡を操作しながら腎臓を傷つけないよう慎重に進めていく
結石を砕き始めてからおよそ30分
これが砕いた結石に欠片だ
大きさは2mmほどになっている
レントゲン写真治療前と治療直後を比べると
結石が粉々に砕けて広がっているのが分かる
後は尿と一緒に出てくるのを待つ
治療費
約7万円 (保険適用)
2日ほどの入院で退院できる
練馬総合病院 泌尿器科 林暁 医師
「非常に侵襲が少ない低侵襲治療」
「上方の結石にもアプローチが可能になってきた」
「今の軟性鏡は270度回転するので」
「腎臓の位置のほとんどにアプローチが可能になった」
知らないうちに重大な病を引き起こすこともある
尿路結石
患者に負担の少ない治療法が
いま進化を続けている
*できればなりたくないものです