ワールドビジネスサテライト,11/11,「MRJ」初飛行開発現場に密着
午前9時すぎ
名古屋空港
離陸の準備をしているのは
国産初のジェット旅客機
MRJ(三菱リージョナルジェット)
今日はつの試験飛行を迎えます
そして午前9時30分すぎ
大空に飛び立った白い機体
悲願の初飛行を迎え地上では
見物客1
「初飛行ということでこみ上げてくるモノはある」
見物客2
「無事に飛んで感激した」
「今度のりたいと思います」
試験飛行では
上昇や下降など基本的な操舵性能を確認
離陸からおよそ1時間半後
再び名古屋空港へと戻ってきました
三菱航空機
2008年からMRJの開発始める
当初2011年に試験飛行の予定でしたが
設計の見直しなどの理由で試験飛行を5回延期
初飛行を終え
三菱航空機 森本浩通 社長
「一体いつ飛ぶんだ?と多くの人から質問を受けて」
「心配をかけたが期待に応えることができて」
「ほっとしているのが率直なところ」
国産旅客機の開発は
YS11 1962年に初飛行を成功
以来
およそ半世紀ぶりです
しかし
YS11は巨額の赤字を抱え製造中止
それ以来
日本の航空機産業は自ら旅客機を製造する事はありませんでした
「長くかかったがきょうの初飛行で」
「日本の航空機産業の礎になる実感が出てきた」
三菱航空機が参入する
小型ジェット旅客機市場
ブラジル エンブラエルとカナダ ボンバルディアの
2社で8割以上を占める
MRJ
ライバルメーカーより約2割燃費性能向上
で市場に挑みます
初納入は2017年4~6月に
ANAホールディングスに対して行われる予定です
2012年6月
愛知
三菱重工業 飛島工場
三菱航空機がMRJの開発を進めていました
翼にビョウでアルミ板を取り付けています
そして表面を測ります
ビョウの凹凸が出ないように1/100ミリ単位でチェックします
少しでも空気抵抗を抑えるためです
9月7日
県営名古屋空港
その建物内にある
三菱航空機 本社
ある打ち合わせが行われていました
三菱航空機エンジニアの山本さんとANAのパイロット松下さんです
ANA
2008年MRJ25機購入を発表
ローンチカスタマー
新しい航空機を一緒に開発する航空会社
全日空空輸 篠辺修 社長
「メーカーとして作りたい飛行機に対して」
「エアラインとして使い勝手の良い飛行機にしていただきたい」
「ココがローンチカスタマーの一番の役割だと思っています」
部屋の奥にあったのはフライトシュミュレーター
MRJの本物のコックピットを再現した装置です
ANAのパイロットたちが操縦士
改善点を探ります
離陸や着陸の操作性には問題はないようです
しかし松下さん1つ気になることがありました
ANAウイングス パイロット 松下浩之さん
「操縦かんの親指がどうしても行き場がないので」
「確認をしていただきたい」
「形状的なものですね」
「力が入りづらいっていうのがどうしてもあります」
スイッチを押したくない時に親指を置いておく
スペースがない
一方
親指を側面にずらすと手に力が入りにくいというのです
さっそく改善に入ります
MRJのエンジニアやデザイナーが集まりました
2つのスイッチの距離を離し
間に親指を置けるスペースを作りました
しかし
操縦かんの先端部分を大きくすると
逆に後ろのスイッチが押しにくくなりました
三菱航空機 エンジニア 山本憲一さん
「まだまだ色んなコメントが出てくるので」
「最後の最後まで妥協せずに作り込んでいく」
このように三菱航空機ではANAの人たちと
何百回も協議をしながら開発を進めてきました
こうして
今日の初飛行を迎えたのです
機体開発と同時に進められていたのが販売です
去年7月
イギリスで行われたファンボロ―国際空空ショー
名だたる航空機メーカーが出展する
世界最大級の航空見本市
実は三菱航空機もMRJのPRに乗り出していました
しかし
MRJはまだ開発中
用意したのは実物大の客室模型でした
当時の社長川井さん自ら世界各国のエアラインに
トップセールスをかけていました
説明を受けていたのはミャンマーの航空会社の社長です
MRJ1機 約50億円
この日
エママンダレイ
10機購入の契約が成立しました
さらに
アメリカのイースタン航空とも40機購入の覚書を交わし
その後正式契約に至ったのです
現在
MRJの受注数
407機
三菱航空機では初飛行の成功で
さらなる受注拡大に期待を寄せています
三菱航空機 森本浩通 社長
「今回の初飛行を励みに受注活動に注力し」
「その結果が注文につながればいい」
*ロマンだねぇ