ワールドビジネスサテライト,11/12,特集,郵政の宝!?不動産の可能性
11月10日
名古屋・中村区
で開かれた発表会
JPタワー名古屋
が報道陣に公開されました
この再開発を手掛けたのは
日本郵政グループの日本郵便が手がける
商業施設KITTEは来年6月開業
オフィスは来月から入居開始
この施設の売りの1つが充実した設備です
13階の共用フロアには入居企業の社員向けにラウンジや
珍しい和風の会議室などを用意しました
日本郵政 不動産部 野村洋 部長
「オフィスビルを真面目にやろうと構想していて」
「この13階の部分はオフィスを使う方に自由に使っていただける」
11月4日
日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の3社が同時に上場
政府が郵政株の11%を売り出し
日本郵政 西室秦三 社長
「グループ全員でさらに成長する」
上場企業となった事で多くの株主から
成長性を問われることになります
しかし
既存事業の収益を伸ばすことは容易ではありません
日本郵便の郵便・物流事業
103億円の営業赤字(14年度)
全国の郵便局の8割は赤字とも言われています
さらに金融2社の株式は出資比率を50%まで引き下げたのち
できる限り早期に売却する事が決められています
金融事業の収益に頼っていては
グループを支えられなくなります
*逆じゃないのこれ?
そこで
「我々の持つ不動産は非常に価値が高いのは事実」
郵政は新規物件の開発を進め
日本郵政グループの不動産事業
営業収益を17年度に
250億円(現在の約2倍)に
Q.郵便・銀行・保険に次ぐ第4の柱にするということか
日本郵政 不動産部 野村洋 部長
「第4の柱というには規模が違って恥ずかしい限りだが」
「少しずつでも着実に経営してキャッシュ(利益)を稼いでいく」
JPタワー名古屋も中核物件の1つとして
安定した賃貸収入を見込んでいます
郵政が手がける再開発物件
最大の強みは立地です
かつて郵便物を鉄道で運んでいたため
JRの駅の前に多くの土地を持つ郵政
JTタワー名古屋
駅から貫通通路を通って徒歩1分
この大型開発に不動産業界も商機を見出しています
不動産開発大手の
CBRE
この日は
オフィスの需要動向について報告がありました
物件が不足している名古屋駅前に
大型ビルができる事で移転を希望する企業の流れが活発になるとみています
Q.郵政の不動産事業はどうなりそうか
CBRE名古屋支店 ビル営業部 大上英男 部長
「東京のビルも好調と聞いている」
「名古屋の竣工でさらに勢いがつく形になるのでは」
郵政にとって初めての大型開発が
東京駅に隣接する
JPタワーです
施設の運営経験がなかった郵政
JPタワーKITTE
三菱地所の協力でテナント誘致
ノウハウを蓄積していきました
季節ごとのイベントなど多くの人で賑わうKITTE
しかしその開業までの道のりは平たんではありませんでした
開業前の2009年
鳩山総務大臣(当時)
旧東京中央郵便局の文化的価値を訴え
再開発をストップさせる
鳩山 総務大臣(当時)
「利益追求主義でこういう設計をして」
「もう一部壊してきた国の恥だ」
結局
日本郵政
旧局舎の保存部分拡大など計画変更
予定より
建設費80億円↑ 開業は約2年遅れ
計画の変更で取り壊しを中止した一画に
騒動の名残を残す場所が保存されていました
旧郵便局長室です
当時の写真などが展示されていますが
足を止める人は多くありません
専門家は政府が郵政株の大半を握る限り
政治の介入を招くリスクは起こると指摘します
楽天証券 チーフストラテジスト 窪田真之さん
「政府の株式保有が多い間は横やりが常に入る」
「横やりがたくさん入ればいい立地でも収益性の低いビルになるリスクはある」
郵政は上場を申請する際に提出した
有価証券報告書に政府が株主としての経済的利益よりも
公共政策上の判断を優先した場合
株主の利益に反する支配権または
影響力の行使がなされる可能性があると記載しています
実際
日本郵政(13年)
政府の意向で坂篤郎社長(当時)が退任
→三菱地所出身の副社長も交代
Q.できるだけ早く国の出資は減らすべき
「国の企業としての考え方を残していると」
「不動産の活用ひとつうまくいかない」
今後
日本郵政グループ
博多駅前にKITTE博多 来春開業
大阪駅前の再開発を検討
グループの埋もれた資産を有効活用できなければ
官業脱却は果たせません
*スタートは良かったけどね