ワールドビジネスサテライト,3/17,仮想通貨 最前線
三重・鈴鹿市
のマンション
2人の子を持つ前田順子さん
iPadで会話する相手は
カナダに留学中の長女の奈那さんです
順子さんは最近奈那さんへの仕送りに
仮想通貨のビットコインを使い始めました
奈那さんの口座を示すQRコードを
専用アプリに読み込み
10万円と金額を入力して
送金ボタンを押せば手続きは完了です
その3分後
奈那さんから届いたと連絡がありました
ビットコインを使い始めたのは
送金手数料の安さに惹かれたからだと言います
前田順子さん
「何千円が何円になったくらい送金手数料は安い」
ゆうちょ銀行の送金手数料
10万円送金で2500円(受け取りは別料金
一方
ビットコインの手数料はアプリ会社に払う6円だけ
東京・渋谷
のオフィスビル
ココに入居するのが
ビットコイン専用アプリ コインチェックを開発したレジュプレス
創業者のメンバーの大塚さんは
ビットコイン最大の特徴が送金機能にあると考えています
レジュプレス 大塚雄介 取締役
「お金を海外に送る方々にとっては非常に安く簡単に送れる」
「少額を早く送れるので非常に新しい市場ができてくる」
なぜビットコインを使うと
格安な送金ができるのでしょうか
従来の海外送金
複数の金融機関を経由するため送金額の数%の手数料がかかります
一方
ビットコインによる海外送金
暗号化されインターネットで送られるため原則無料なのです
ビットコインの普及を目指す大塚さん
新たに動き出していました
訪ねたのは
東京・大田区
NPO法人グッドネーバーズジャパン
ビットコインを使えば送金手数料なしに
手軽に少額募金ができるのです
グッドネーバーズジャパン 広報部 飯島史絵 部長
「100円だと募金箱感覚でできる」
この団体は
アジアやアフリカなどで12年前から貧しい子供たちの支援を行っています
また
東日本大震災の時には被災地でも活動しました
飯島さんはビットコインを使った募金には
多くのメリットがあると感じていました
「海外の団体や個人から”寄付したい”と申し出があっても」
「銀行振り込みの手数料が高くて難しかった」
「(ビットコインには)でメリットがないのでは」
現在
コインチェックではNPOなど8団体に対して
ビットコインで寄付が可能な態勢を整えています
ビットコインを使った寄付の形は広がっていて
ロシアに編入されたウクライナ・クリミア半島の人たちが
QRコードを掲げて世界に支援を求めたこともありました
ビットコインなどの仮想通貨はどこまで勢いを増すのでしょうか
専門家は
早稲田大学ファイナンス総合研究所 野口悠紀雄 教授
「通貨をめぐるこれまでの仕組みが」
「仮想通貨の登場で非常に大きく変わる可能性がある」
「人々が銀行の送金システムを使わず」
「仮想通貨を使うことは十分考えられる」
野口氏は仮想通貨の普及は
既存の金融機関の脅威になると話します
一方で
「ただし銀行もただ指をくわえて見ているわけではなく」
「銀行自体が仮想通貨を導入しようという計画が進んでいる」
「銀行が仮想都香の仕組みを作って外国に送金する場合も使うし」
「国内の送金に使うことも考えられる」
「銀行が対応すれば逆にこれまでの仮想通貨が潰される可能性もある」
「どっちがどうなるかはわからない」
国際金融機関40行(シティバンクやゴールドマンサックスなど)
15年9月 仮想通貨の研究会を発足
日本のメガバンクも参加したいます
銀行は仮想通貨に
どのように向き合っていくのか
全国銀行協会 佐藤康博 会長
「仮想通貨が悪というわけではない」
「社会の利便性を上げる有用な面もある」
「具体的にどのようなサービスが可能か話せる状態ではないが」
「決済という観点から見ても利便性があるものに繋がっていく」
革命的とされる仮想通貨の技術をめぐり
社会はすでに大きく動き始めています
*この支配が終わる可能性があるのか?