ワールドビジネスサテライト,5/11,ライセンスビジネスの光と影
今日発表会を開いたのは
アメリカの菓子大手モンデリーズです
モンデリーズジャパン
オレオやリッツの自社工場での生産・販売を発表
オレオやリッツ
モンデリーズがライセンスを持つ
→ヤマザキナビスコが製造販売
両社は8月にライセンス契約を終了します
新商品
モンデリーズが製造
モンデリーズとヤマザキの提携はおよそ46年に渡りますが
なぜ蜜月関係は壊れたのでしょうか
今年2月の会見で
山崎製パンの社長が交渉の内幕を明かしています
山崎製パン 飯島延浩 社長
”下請けとして製造だけやってくれという内容だった”
モンデリーズの提案は共にブランドイメージを作り上げてきた
ヤマザキにとって受け入れがたい内容だったのです
9月からは
モンデリーズの新商品が小売店の棚に並び始めます
ブランドイメージは従来品を引き継ぎ
ビスケットの見た目もこれまでと大きな違いはありません
ただ
従来は国内の工場で生産されていましたが
今後の新商品
オレオは中国北京の工場で生産
リッツ インドネシアの工場で生産
また
海外生産に変わっただけでなく味には少し変化を加えていると言います
モンデリーズジャパン 辺丙三 専務
「いま一番好まれる味ということで」
「今回の味を判断している」
一方
ヤマザキ製パンにとってもヤマザキナビスコは
グループ利益の1割以上稼ぐ優良子会社
今年9月に
ナビスコの商標が使えなくなり
社名は
ヤマザキナビスコ→ヤマザキビスケットに変わります
そうなると
1992年からスポンサーになっているJリーグ
ヤマザキナビスコカップはヤマザキビスケットカップになるのでしょうか
ヤマザキ側は穏やかではありません
2月に発表したリリースには
”競合品の開発を視野に入れつつ
”自社で開発した技術を最大限活用した新製品を発売する予定”
山崎製パン
モンデリーズのオレオやリッツに対抗
しかし
契約の問題でヤマザキが発売できるのは来年末だと言います
Q.ヤマザキがオレオやリッツの競合品を出す可能性もあるが
モンデリーズジャパン 辺丙三 専務
「健全な競争」
「お互い切磋琢磨していくことが重要」
*契約ですぐには出させないくせに・・・
販売店ではヤマザキのブランドが消える事で
不安も出てきています
サンケイスーパー 水野竜宏 社長
「なじみがあるブランドなのでヤマザキがなくなると売り上げ的には厳しい」
「値段が今までと同じようにいかないのでは」
ある程度値引きが期待できるヤマザキから
外資系に変わることで価格にシビアになるのではと言うのです
*8月までに備蓄しておかないと・・・
ライセンスビジネスを巡る攻防は
企業の業績を大きく左右します
いま大胆な変革を求められているのは
アパレル大手の三陽商会です
これまで45年に渡って
バーバリーとのライセンスを武器に成長を遂げてきました
しかし
三陽商会
去年 バーバリーとの契約終了
新たにマッキントッシュとライセンス契約
百貨店などで展開していますが
バーバリーの認知度には及んでいません
営業損益 -5億円(16年1-3月期)
49億円 (15年1-3月期)
そして
東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドも
課題を抱えています
オリエンタルランド
ディズニー社とのライセンス契約2046年まで
これまでディズニーに頼りきりのビジネスモデルから脱却しようと
様々な取り組みを進めてきました
2000年
自社で開発したキャラクターネポス・ナポスを使った商品販売
→浸透せず撤退
2008年
シルクドソレイユと業務提携
→10年以上公演する契約でしたが赤字が続き3年で終了
ライセンスビジネスは一筋縄ではいかないのです
ライセンスビジネスがはらむリスクを回避するには
どうしたらよいのでしょうか
東京理科大学 草間文彦 教授
「一番に考えなければならないのは」
「ライセンスでとったブランド売れば売るほどリスクになる」
「ライセンスでブランドをとる場合」
「第2第3のブランドを作っておく必要がある」
欧米のブランド
日本でのライセンスビジネスの成功後
自社で展開するケースが多い
ライセンスのブランドを柱にするのは注意が必要
「契約書に調印するときだけがリスクを回避できる唯一のタイミング」
「目標の売上高を達成したらライセンス契約を継続しなければならないとか」
「ハードネゴをしないといけない」
「それが日本のメーカーに欠けているところかもしれない」
*ローリスクで進出して成功したら取り上げるのか最近多いねこの話